緩和ケア病棟に寄贈された電子ピアノと左から小暮副理事長、石川医師

指揮を執る故岡崎光治さん

緩和ケア病棟に寄贈された電子ピアノと左から小暮副理事長、石川医師 指揮を執る故岡崎光治さん

 【栃木】仙台市を拠点に活動し昨年12月に亡くなった作曲家・指揮者岡崎光治(おかざきみつはる)さん=享年(83)=が愛用した電子ピアノがこのほど、とちぎメディカルセンターの慢性期病院「とちのき」(大町)の緩和ケア病棟に寄贈された。センターの小暮義雄(こぐれよしお)副理事長(68)が、岡崎さんが最期まで音楽監督兼常任指揮者を務めた合唱団「萩」(仙台市、末光眞希(すえみつまき)団長)に所属する縁で実現した。電子ピアノを活用しミニコンサートを開くなど、終末期のがん患者らのために役立てられる。

 岡崎さんは東北大教育学部卒。日本電子音楽協会理事などを務め、宮城県で生まれた初の創作オペラ「鳴砂」など多数の作品を残した。末光団長(65)は「あえて地方に拠点を構え、アジアに目を向け東北の音楽を発信していた」としのぶ。

 本県ではあまり知られていなかった岡崎さんだが、東北大男声合唱団OBを主体に設立した萩は首都圏にも多くの団員がおり、宇都宮市でも練習していることから、指導で度々訪れた。足利市などの伝統的な民謡「八木節」を合唱版とオーケストラ版に編曲もした。

 電子ピアノは、岡崎さんが自宅で作曲などに使っていた。今回の寄贈は、岡崎さんの遺品整理を団員が手伝う中で持ち上がった。

 緩和ケア病棟は2017年10月にオープン。患者らの癒やしになるよう、音量を調整でき、さまざまな音色を奏でる電子ピアノの設置を考えていたところだった。寄贈の電子ピアノは、昨年12月25日に搬入され、デイルームの一角に置かれている。

 石川和由(いしかわかずよし)緩和ケア内科主任医長(45)は「音楽による癒やし効果は非常に大きい」と期待を寄せ、小暮副理事長も「岡崎先生を県内の人たちに知ってもらうきっかけにもなればいい」と話している。