食べ物が安全だとはっきりさせるため、農薬の量など生産管理の徹底ぶりを示す基準としてGAP(ギャップ)がある▼2007年の鹿沼産イチゴ残留農薬問題の反省を踏まえ、県内の全てのイチゴ生産者はGAPを導入し、安心安全の取り組みを進めてきた。ところが再び残留基準値を超える農薬が検出された。残念の一言である▼壬生町の生産農家1戸が出荷したもので、生産者は12月頃から害虫のハダニ被害の拡大に悩まされ、焦って希釈率などをよく確認せずに2種類の殺虫剤を使ってしまったという。一つは収穫の75日前までに使用をやめなければならないものだった▼県は「健康に影響を及ぼすことはない」としているものの、消費者の信頼を揺るがしかねない。事の重大さを受け、JAグループ栃木は県内の全イチゴ生産者の農薬使用状況の確認を始め、県は25日、緊急対策会議を開いて農薬の適正使用の徹底を図った▼昨年1月の「いちご王国・とちぎの日」宣言に引き続き、県は今年も県内をはじめ首都圏や関西圏で、王国の魅力を伝えるさまざまな集中プロモーションを始めたばかり。タイミングも悪い▼ちょっとしたことが原因で、たいへんなことになる例えに「蟻(あり)の一穴天下の破れ」がある。県産イチゴのブランドを守るため、気の緩みや慢心があってはならない。