ITやAI(人工知能)の進展は目覚ましく、現代人の暮らしぶりは急速に便利さを増している。例えばスマートスピーカーに呼び掛けるだけで、居ながらにして家電の操作ができる。そこまでして手間暇を惜しむことが果たして幸せにつながるのかどうか▼決して惜しんではならない手間もある。クルマのシートベルトの着用がその一例だろう。時間にしてわずか数秒の作業を面倒くさがることで、命を落としてしまっては悔やんでも悔やみきれない▼運転席や助手席でシートベルトを装着するのはさすがに習慣となっているが、後部座席ではどうだろう。県警が日本自動車連盟(JAF)と合同で行った調査によると、2018年の県内の着用率は一般道で38・7%と4割を下回ったという▼後部座席での着用が義務化された08年は47・2%、翌09年は50・2%と5割を超えていた。10年が経過して着用義務の認知度が薄れてしまっていることを如実に表している▼筆者の経験からしても「さもありなん」と思う。タクシーを利用してもほとんどシートベルトを締めるのを怠っていた。反則金は課せられないから、と軽く受け止めていた▼だが、肝心なのは命は自分で守ること。「取り締まりがあろうがなかろうが」は二の次である。シートベルトで手間を惜しむのは厳禁と戒めたい。