新年を祝ったばかりと思ったら、早くも1カ月が過ぎた。年を重ねるごとに季節の足音は加速する一方で、きょう3日には冬と春の境目となる節分を迎える▼かつては四季それぞれの分岐点を節分と呼んでいたが、今では立春の前日を指すのが一般的。豆をまいたり、イワシの頭を刺したヒイラギを門に掲げたりして病気や災害に見立てた鬼を追い払い、1年の無病息災を願う▼時代とともにかつての風習が廃れつつある中で、最も親しまれている年中行事の一つといえよう。県内の至るところで豆まきのイベントが繰り広げられるが、足利市の伝統行事「鎧(よろい)年越」はちょっと異色だ▼鎧や冑(かぶと)を身にまとった市民ら300人が次々と鑁阿(ばんな)寺に結集し、鬼払いの儀式に臨む。750年前、足利氏4代目泰氏(やすうじ)が板東武者を寺に勢ぞろいさせ、一族の結束や勢力を誇示したことが始まりとされる▼長らく途絶えていたが、大正時代に市内の繊維業者らが復活させ、今年で90回目の節目を迎える。本年度、ふるさと納税の返礼品に「鎧年越の観覧」を加えたところ、近県から3組の応募があったという▼返礼品として派手さはないものの「寄付者とのつながり、交流を考えた」と市の担当者。伝統の継承もまちづくりも、こうした地道な積み重ねがあって初めて、「福は内」とすることになるのでは。