足大付高弓道部はスマートフォンで動画を撮影し、課題を修正している=足大付高弓道場

 2022年の第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」に向けた県競技力向上対策本部が、各競技団体の指導者へのサポートに力を入れている。本年度初めて「国体選手指導者研修会」を年4回開催し、全41競技団体の監督・コーチらに新たな指導法などを具体的に紹介。長年の経験だけではなく、新たな視点を取り入れた指導で、選手育成につなげてもらうのが狙いだ。

 研修会はマネジメント、テクニカル分析、メンタルトレーニングに分け、昨年7月から12月に開催した。指導者が学ぶ機会が少ない科学的なスポーツ指導が柱で、毎回130~70人が出席。県教委スポーツ振興課競技力向上対策室の福田靖彦(ふくだやすひこ)副主幹は「指導者の意識を変える一歩がほしかった」と目的を明かす。

 メンタルトレーニングでは、練習の質を上げて逆境に強くするコーチング方法、試合前の選手の精神的準備などを具体的に紹介。スポーツ心理学などが専門で、講師を務めた作新大経営学部の笠原彰(かさはらあきら)教授は「監督は心のコントロールが選手以上に必要」と説いた。

 テクニカル分析では、動画を活用した指導方法を解説。選手のプレー映像を動作比較、角度や速度など多角的視点で見直すことで、弱点や修正点を明確化して能力向上につなげるのが目的だ。参加者の一人は「根性論で勝てる時代ではない。タブレットPCを買って活用したい」と話した。

 科学的な指導を先行導入し、実績を残している学校もある。足大付高弓道部は15年からスマートフォンで撮影し、手本となる動画と照らし合わせて動作を確認している。「弓道は瞬間を切り取るより、撮影して見比べる作業が役に立つ種目」と宮沢章啓(みやざわあきひろ)監督。永田大昂(ながたひろあき)主将は「毎日撮ってチェックする。いいものは携帯に残して試合前に見返している」と欠かせない。

 メンタルトレーニングを実施しているのは今市高男子ホッケー部だ。県ホッケー協会強化部長でもある福田敏(ふくださとし)監督は「試験的に行った結果、よい結果をもたらす要素になった。協会としてはまだ実施しておらず、今後は動画分析も含めて行いたい」と手応えを語る。

 県は19年度も指導者向けの研修を継続する予定だ。福田副主幹は「チーム栃木の一体感を強め、選手も指導者も足並みをそろえて成績を向上させていきたい」と研修会の効果を期待している。