大正時代から続く中町自治会の敬老会

 【宇都宮】徳次郎町の中町自治会で毎春、開かれている「敬老会」がこのほど、開催100回を迎えた。大正時代に高齢者を慰安しようと発案され、戦時中も地域住民が協力して絶やすことなく続けてきた。今では幅広い世代の住民が交流するきっかけの場にもなっており、池田幸夫(いけださちお)自治会長(64)は「100回という節目を迎えられたのは、縦横のつながりがあったから。住民が集う場として続けたい」と話している。

 敬老会は1920(大正9)年の春、住民有志から寄付金を募って始めた。当時は福祉行事がほとんどなかったため多くの賛同が得られ、3回目以降は青年会や婦人会も運営に携わるようになった。

 戦時中は開催が危ぶまれたが、住民が食料を提供するなどして中止することなく続けた。結束力を高める契機となり、戦後は自治会を挙げて行う一大行事となった。

 100回目の敬老会には、自治会に所属する70歳以上の住民約50人が参加した。地域に住む子どもが合唱を披露したほか、婦人会が料理を振る舞うなどして高齢者の長寿を祝った。

 「昔は芋串などを作って高齢者をもてなした」という竹原(たけはら)トキさん(90)は慰労される側となり「毎年、この日を楽しみにしている。協力的で思いやりがある自治会の皆さんに感謝している」と来年の会も心待ちにしている様子だった。

 当時、敬老会を発案した故増渕浅治(ますぶちあさじ)さんの孫東平(とうへい)さん(73)も参加。「みんなが楽しんでいる姿を見ていると、代々やってきて良かったと改めて思う」と笑顔を見せた。