楼門前面で記念写真を撮影する稚児たち

 【小山】「料理の神様」として信仰を集める高椅の高椅神社で楼門が約1世紀ぶりに修繕され、完成を記念した竣工(しゅんこう)祭が25日行われた。地域を挙げての式典には氏子ら約1千人が参列し、往時の輝きを取り戻した楼門を見上げて喜びを分かち合った。境内では除幕式を皮切りにさまざまな催しが行われ、夜の楼門ライトアップまで終日にぎわいを見せた。26日には同神社で、全国の有名料理人らを集めた「和食サミット」が行われる。

Web写真館に別カットの写真

 落ち着いた朱色の建物に、青や緑の彫刻が映える。高さ12・4メートルの二層楼門は市指定文化財であり、県指定文化財でもある。戦国武将の結城政勝(ゆうきまさかつ)が1555年に改修したとされたがその後破損し、現在残る楼門は水野結城家の寄進により1770年に完成した。

 1921年の大改修で彫刻の彩色、建物全体を塗り替えた。今回の改修はそれ以来の大がかりなもので、98年ぶりとなる。構想6年、着工から3年、費用は約1億6千万円かかった。改修前の建物は雨風で傷み、彫刻は彩色がはげ落ちていたという。

 この日は修繕完成を告げる神事が拝殿で行われた後に楼門の除幕式が行われ、雅楽隊の先導で氏子や来賓ら参列者が楼門の通り初めを行った。普段は昇ることのできない楼門の2階にも先着75人が昇ることが許され、特別な眺めを楽しんだ。

 同神社責任総代代表の塚原一男(つかはらかずお)さん(72)は「これだけ多くの人に祝っていただき、心は晴れやか」。病気療養中の角田修(つのだおさむ)宮司に代わって神事を取り仕切った長男で禰宜(ねぎ)の英之(ひでゆき)さん(52)は「経験したことのない大事業で心に余裕がなかったが、今はほっとしている」と喜びを語った。

 高椅神社と言えば、伝統的な調理法にのっとり手を触れずに魚をさばく「包丁式」が有名。式典では日本調理師連合会の森口冨士夫(もりぐちふじお)会長が見事な腕前を披露した。稚児行列や太々神楽の奉納などもにぎやかに行われ、式典に花を添えた。

ズーム 高椅神社 684年の建立とされ、日本料理の祖神(おやがみ)「磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)」が祭られている。境内には全国の調理師会会員により造営された「包丁塚」があり、腕前を上げたいと願う料理人らに崇拝されている。