「県消防団応援の店」に登録している店舗=3日午後、宇都宮市桜3丁目

 県内の消防団員が店舗や施設で料金割引などの優遇サービスを受けられる「県消防団応援の店制度」への登録店数が伸び悩んでいる。県は昨夏、1千店を目標に取り組みを始めたが、登録数は15日現在で2割未満の181店にとどまる。制度が周知されていないことや、経営への影響を事業者が懸念していることなどが要因とみられる。一方で協力に前向きな店もあり、県は引き続き登録店を募っている。

 消防団員のなり手が減少傾向にある中、同制度は地域ぐるみで団員を応援して加入促進を図るのが目的。昨年7月、16市町の飲食店やクリーニング店など約100店舗の協力で始まった。団員やその家族が県内の登録店を利用する際、会計総額の割引やドリンクサービスなどの特典を受けられる。県内10市町が同様の制度で計700店以上の協力を得ていることもあり、県は当初、初年度で1千店の登録を想定した。

 県消防防災課は市町の消防担当者や商工団体を通じて協力を呼び掛けてきたが、登録は増えていないのが実情だ。既に市町の制度に協力している個人経営の店などには「消防団は地元のもの」という意識があり、広域で優遇サービスを提供する県の制度への理解を得にくいという。

 県内の店舗からは「経営的にサービスを提供する余裕がない」などと消極的な意見のほか、「制度を知らない」という声が相次いだ。矢板市扇町1丁目の「そば処 天盛」の黒尾文彦(くろおふみひこ)店長(44)は「15年間ほど消防団員をしていて矢板市の制度に協力しているが、県の取り組みは知らなかった。集客につながるなら協力してもいい」。

 一方で、宇都宮市桜3丁目の「わざあり整骨院」は県の取り組みに賛同し、登録店に交付されるシールを掲示した。伊沢弘二(いざわこうじ)院長(32)は「店を知ってもらう良い機会だし、イメージアップにもつながる。もっと制度が知られれば協力する店はたくさんあると思う」と話す。

 登録店の伸び悩みを受け、同課は3年間で1千店の登録を目指すことにした。担当者は「消防団は相互に応援し合うものであり、県全体で取り組みたい。既に取り組んでいる市町への声掛けと、チェーン店での広がりを図っていきたい」としている。