宇都宮地区後援会の総決起大会であいさつする高橋氏。約1700人の来場者に「地方を守り抜く」と再選への思いを語った=18日夜、宇都宮市内

 「バッジを着けた人間は選挙も仕事だ。ここで気持ちを入れ替えてほしい」

 22日午後、宇都宮市内。自民党現職高橋克法(たかはしかつのり)氏(61)の選挙対策本部会議で、選対事務総長の木村好文(きむらよしふみ)県連幹事長は引き締めに躍起だった。

 4月の統一地方選と参院選が重なる12年に1度の「亥年(いどし)選挙」。組織で戦う自民には鬼門とされる。

 自らの選挙を戦った県議や市町議の疲れ、10連休明けにずれ込んだ準備の遅れ-。「とにかく動きが低調。6年前に比べ、やるべき活動の6割しかできていない」。会議終了後、別の選対幹部が表情を曇らせた。

 衆参同日選への「解散風」は本県でも衆院議員らの熱を高め、参院選の底上げとなったが「やむのが早すぎた」(陣営関係者)。

 それでも世論調査の政党支持率はリードを保ち、本県は野党が統一候補擁立にもたついた。選対幹部は「どれだけねじを巻いても緩みが消えない」とぼやく。

 元高根沢町長として県北、県央地区に根付いた知名度や約150の推薦団体が支える組織力は圧倒的だ。

 陣営は有権者の投票傾向の分析に基づき、公示前は高橋氏や関係者が推薦・支援団体を回る「地上戦」に力を入れる。陣営関係者は「有権者に活動の効果が出るには1カ月かかる。6月末までにいかに種をまけるかだ」と語る。

 さらに初当選した2013年参院選と同様に、公明党の推薦を得た。公明県本部は4月の県議選で自民との協力態勢を強化。比例候補との相互支援の効果を挙げ「6年前の時以上の活動を展開している」と胸を張る。

 「小さな町の町長出身としていかに地方を守り抜くかを考え、汗を流してきた」。高橋氏は各集会で、首長経験と国土交通政務官を務めた実績を強調する。

 陣営は立憲民主党新人の加藤千穂(かとうちほ)氏(43)の本県との関係性の薄さを突く一方、若さや女性への浸透を警戒している。

 「決して安心できる差ではない。これからの『風』が怖い」。選対幹部はそう指摘する。特に神経をとがらせているのは、金融庁審議会試算の老後資金2千万円不足問題だ。

 12年前の亥年は「消えた年金」問題で大敗し、安倍第1次政権退陣の引き金となった。10月の消費増税を控え、好調だった経済が失速気味なのも気がかりだ。

 13年は37万票を獲得し、次点に17万票差をつけた。だが他候補の合計得票数は40万票。選対幹部は上滑りを警戒し、ハッパを掛け続けている。