車いすで施術をする吉成さん。新店舗で新たなスタートを切った

 【大田原】交通事故で車いす生活を送りながら整体師として働く若松町の吉成三夫(よしなりみつお)さん(50)が、困難を乗り越え再スタートを切った。開業7年目の整体院は今年3月、入居していたスーパーの突然の廃業で行き場を失ったが、後継のスーパー施設内に入居でき、今月、本格的に再開した。新店名は「ほぐし処 絆」。多くの支えに感謝を込め「人が集う場所に」と名付けた。「痛みに苦しむ人の役に立ちたい」と、今日も訪れる人の体と心をほぐす。

 今年3月4日午前、いつものように整体院へ出勤した吉成さんは、がくぜんとした。入居していた本町1丁目のスーパー「三桝屋」の入り口ドアに「廃業」の張り紙。店内にも入れない。「これからどうすれば…」。途方に暮れた。

 スポーツ選手などに整体を施す「スポーツカイロプラクター」として活動していた吉成さん。2009年に福島県内で交通事故に遭い、車いすの生活になった。

 一度は心が折れ掛けた。だが「車いすの整体師はオンリーワン。できたらすごいことだよ」という周囲の励ましや、妻の絵利子(えりこ)さん(36)に支えられ、13年12月、地元大田原で整体院「ほぐし屋さん」を開いた。

 丁寧な施術が評判を呼び県外から来る人もいたが、入居先の廃業で退去を余儀なくされ、再び危機に陥った。店舗を持たずに施設などに出向いて施術する方法も考えたが、5月末、三桝屋跡に新装オープンした「たいらや」と協議し、同じ施設内の別の場所で再開することができた。

 バリアフリーの構造に改修してくれた店側にも感謝している。「一生懸命やることで恩返ししたい。さまざまなジャンルの人たちがワークショップを開くなどマッサージ店らしくない雰囲気にしたい」。その名の通り、人と人との「絆」を結ぶ場所にしたい考えだ。

 (問)吉成さん070・3245・5700。