雑木林の上で営巣するサギの大群=9日午前11時20分、大田原市内、小型無人機から

 大田原市中心部の住宅地に隣接する雑木林で、今年もサギが大群で営巣し、ふんや悪臭、鳴き声などが問題となっている。9日には多数のサギが木々を占領し、餌を求めて飛び回る姿が見られた。

Web写真館に別カットの写真

 市によると昨年よりも増加しており、最低でも100羽以上が生息しているという。一方、地域住民は「300羽はいるのでは」と話している。日本野鳥の会県支部によるとダイサギやコサギ、アオサギのほか、準絶滅危惧種のチュウサギがいる可能性もあるという。

 この日も周囲には生臭いにおいが漂い、雑木林の下の植生はふんで真っ白になっていた。地元の紫塚地区に住む60代女性は「衛生面が一番心配。抜けた羽や乾燥して粉状になったふんが空中を漂うので、洗濯物も干せない」と表情を曇らせた。鳴き声も断続的に響き渡り、40代男性は「女性の叫び声のように聞こえて、夜中に目が覚めることもある」とため息をついた。

 民家に近いため銃による駆除は禁止されており、民有地なので木の伐採も難しい。市は2017年から、断続的に高音を発するカラスよけの音波発信装置を設置しており、今年はその音波を改良したほか、2~3月に漢方薬を使った忌避剤を散布。5月には市内の狩猟可能な地区で計97羽を駆除したが、効果は表れなかった。

 市の担当者は「営巣地を別の場所に移す対策もあるが、集団ごと移動するのではなく小さい集団に分散する恐れがある。さらに個体数が増えるリスクも考えられる」と頭を悩ませている。今後は営巣を始める前に阻止できるような有効策を模索していくという。