荒井退造の親族から県立博物館に寄贈された資料。テーマ展には最も代表的な肖像写真の原本(中央)なども展示されている

荒井退造の関係資料を紹介するテーマ展=13日午後、県立博物館

荒井退造の資料を見る来館者=13日午前11時45分、県立博物館

荒井退造の関係資料を紹介するテーマ展=13日午後、県立博物館

荒井退造の親族から県立博物館に寄贈された資料。テーマ展には最も代表的な肖像写真の原本(中央)なども展示されている 荒井退造の関係資料を紹介するテーマ展=13日午後、県立博物館 荒井退造の資料を見る来館者=13日午前11時45分、県立博物館 荒井退造の関係資料を紹介するテーマ展=13日午後、県立博物館

 太平洋戦争末期に沖縄県警察部長(現在の県警本部長)を務めた宇都宮市出身の荒井退造(あらいたいぞう)(1900~45年)の関係資料を紹介するテーマ展「戦時下沖縄の警察部長 荒井退造-辞令と写真からたどる足跡」が13日、県立博物館で始まった。退造の親族から寄贈された辞令書や写真など貴重な資料を初めて展示し、県民疎開を進め沖縄の人々の救済に力を尽くした退造の歩みと人物像に迫る。8月18日まで。

 退造は現在の宇都宮市上籠谷(かみこもりや)町の農家の家に生まれ、宇都宮中(現宇都宮高)を卒業後に上京。1931年に内務(現総務)官僚となった。43年に沖縄県警察部長となり、45年に同県知事として着任した島田叡(しまだあきら)とともに県民救済に奔走。沖縄戦のさなかの同年6月、2人は糸満市摩文仁(まぶに)で消息を絶った。

 テーマ展は、都内に住む退造の親族から昨年、同館に300点以上の関係資料が寄贈されたことがきっかけ。寄贈は「今後の顕彰活動に向け資料の散逸を防ぎたい」との親族側の意向によるもので、退造顕彰に詳しい宇都宮市砥上町、郷土史研究家塚田保美(つかだやすみ)さん(87)が仲立ちした。

 上京後、警視庁に勤めながら明治大専門部(夜間)で苦学を重ね、手にした高等試験行政科試験(現在の国家公務員総合職試験)の合格証書、地方警視任命時の辞令書、旧満州(中国東北部)勤務時の肖像写真など74点を展示。退造の長男で父親に関する本を著した荒井紀雄(のりお)さん(故人)が戦後、沖縄の戦没者追悼式で献花した際の写真など、現在の顕彰活動のルーツにも触れる。

 県立博物館の大越惟弘(おおこしよしひろ)主任は「沖縄赴任前の活動を浮き彫りにする資料が一括寄贈されたのは貴重。今回の展示が、強い信念と責任感を持って行動した退造が県民の誇りとして語り継がれる一助になってほしい」と話している。

 観覧料は一般250円など。関連行事として27日午後1~4時、民放テレビ局製作のドラマなど退造関係のDVD鑑賞会を開く。予約不要。(問)県立博物館028・634・1311。