支持者に歩み寄り握手する高橋氏=18日午後、塩谷町船生(画像は一部加工しています)

支持者と一緒に気勢を上げる加藤氏=11日午前、塩谷町玉生(画像は一部加工しています)

支持者に歩み寄り握手する高橋氏=18日午後、塩谷町船生(画像は一部加工しています) 支持者と一緒に気勢を上げる加藤氏=11日午前、塩谷町玉生(画像は一部加工しています)

 低投票率が懸念される参院選栃木選挙区(改選数1)。放射性物質を含む指定廃棄物処分場の詳細調査候補地に選定されている塩谷町でも、以前の国政選挙のような熱気は見られない。主な立候補者が共に選定に「反対」で明確な対立軸とならないことや、問題が進展しない中で有権者に広がる政治不信や諦めが背景にあるとみられる。

 4日の公示後から18日までに、与野党の各候補はそれぞれ塩谷町入りした。

 「国の方針で迷惑を掛け申し訳ありません。私は皆さんと一緒ですからご安心ください」。18日昼、塩谷町船生での演説で自民党現職の高橋克法(たかはしかつのり)氏(61)が頭を下げると、支持者から大きな拍手が起こった。

 元農相の西川公也(にしかわこうや)内閣官房参与や手塚功一(てづかこういち)元町長が応援でマイクを握り、地元商工会や業界団体関係者らが訴えに聞き入った。

 その1週間前の11日朝、同町役場前。立憲民主党新人の加藤千穂(かとうちほ)氏(43)が演説で「命の根源である水を絶対に汚させてはいけない。どうか力を貸してください」と訴えると、支持者から「加藤千穂コール」が沸き起こった。

 立民県連代表の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員や見形和久(みかたかずひさ)町長が応援演説し「白紙撤回」と書かれた旗を持つ反対同盟会の会員らが耳を傾けた。

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 下野新聞の政策アンケートで高橋、加藤の両氏は候補地選定に「反対」と答えた。

 2016年参院選は自民現職が賛成、野党統一候補新人が反対し賛否が割れたが、17年衆院選では西川、福田の現職両氏が反対。今年の県議選でも自民新人2人と立民現職がそろって反対し、明確な対立軸にならなかった経緯がある。

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 「どうせ選挙の時だけ」。候補地撤回を訴える飲食店経営の男性(68)は、自民候補の反対が続くことを冷ややかに見る。一方で別の男性(65)は「党を超えて反対が定着したことは歓迎したい」と受け止める。

 町内に立つ選定反対の看板の数は年々減り、与野党双方に「反対運動の熱は冷めてきている」との声がある。処分場問題で支持を集めたい野党陣営は関心低下を憂い、政権与党である自民陣営には問題への深入りを避けたい思惑が透ける。

 選定から今月30日で丸5年となる中、諦めムードの町民も少なくない。候補地の近くに住む70代女性は参院選には関心がないといい「誰が当選しても何も変わらない。政治家にはもう期待しない」と目を伏せた。