J1浦和のヘッドコーチに就任した上野氏

 -育成部門、ユース監督で学んだことは。

 「栃木にいても同じだが、浦和は応援してくれる人の数、期待が非常に大きくて、それが喜びでもあるし、すごくプレッシャーでもある。中身は栃木も浦和もどこのクラブにいようと同じだが、クラブの規模が違う。例えば選手の質も、これだけの大きいクラブなので、日本を代表するような選手もいる。ユースも、埼玉県内のトップクラスの選手のほか、全国からスカウトしてきた選手が集まってくる。彼らを指導するためにわれわれもたくさん学ばなければならない。自分を高めるための当たり前のことが、ここにはある。常に自分が磨かれていないとここにいられないのではないかという思いになるが、やりがいにもなる。サッカー指導者という職業である以上、どこに行っても同じように学ぶ」

 -J1の名門で、アントラーズに黒崎久志、フロンターレに米山篤志と、上野さんと合わせて栃木出身のヘッドコーチが3人いる。

 「確かに。でも今初めて気が付いた。ユースで鹿島に試合しに行ったときに黒崎さんとは久しぶりにいろいろ話をしたし、川崎戦の時はヨネとも話をした」

 -その中から将来監督が出るといいですね。

 「そうですね。ヨネなんかはやりたいと言っている」

 -HCとしての決意、抱負は。

 「監督のサポートは一番だが、僕が入団してからルヴァン、ACL、天皇杯と、タイトルを取り続けている。同じクラブにいるので共に喜びを味わったが、今は一番選手に近いところにいるので、やはりタイトルを取りたい。そのための仕事をしたい。それが求められるクラブでもあるし、取らないと厳しい結果が待っている」

 -日々のミーティングではどんな話を。

 「トレーニングの振り返りは必ず。それから週間の練習の反省とブラッシュアップ。メニューのバランスは適切だったか、足りないもの、やり過ぎたものはないか、何にフォーカスしていくかなど」

 -育成に携わってきた立場から、海外ビッグクラブに行く選手が多く、さらに若年化している流れをどう見ているか。

 「(レアル・マドリードに移籍した)久保建英なんかはレベルも高いし、当然の流れなのかなとも思う。じゃ(鹿島からバルセロナへ移籍する)阿部(裕葵)君はどうなのか。バルサの(経営的)戦略なのかというのも見え隠れしているので何とも言えない。だが喜ばしいことではある。今後彼らがどういった道を歩いて行くかが大切。今はレアル、バルサという名が大きく出ているが、本当に戦うところはバルサBかもしれないし、レンタルに出されてそこで活躍するかもしれない。でも日本人が注目されているということはいいこと。2人とも足元の技術が正確なものを持っていて、判断が伴っているという分かりやすい形で日本人の良さが出ている。少し活躍すれば海外に引っ張られる可能性があるというのは時代の流れになっている。育成自体がどんどん低年齢化している。小中学生のうちに目をつけておかなければいけなくなっている」