大正天皇即位の祝宴で提供されたザリガニのポタージュ再現を目指す堀さん(左)とアメリカザリガニの加工品を手にする馬頭高実習教員の斎藤翔さん=7月中旬、下野新聞社

「大正大礼記録」に収められたザリガニのスープ図(宮内庁宮内公文書館所蔵)

大正天皇即位の祝宴で提供されたザリガニのポタージュ再現を目指す堀さん(左)とアメリカザリガニの加工品を手にする馬頭高実習教員の斎藤翔さん=7月中旬、下野新聞社 「大正大礼記録」に収められたザリガニのスープ図(宮内庁宮内公文書館所蔵)

 大正天皇即位の礼の祝宴に出された約100年前のザリガニのポタージュを再現しようと、ニホンザリガニの研究をライフワークとする那須文化研究会の堀彰一郞(ほりしょういちろう)さん(50)=那須塩原市西朝日町=と茂木町漁協、馬頭高、金谷ホテルなどが17日までに、タッグを組んだ。文献を基に試作を繰り返し、将来はゆかりの日光で新たな観光資源になることを目指している。

 祝宴は1915(大正4)年11月、京都で開かれた。「天皇の料理番」として知られる秋山徳蔵(あきやまとくぞう)(1888~1974年)が一世一代の大仕事として取り仕切り、「めったに味わえぬ珍味を一品はつけたい」(中公文庫「舌」)と北海道・支笏湖産ニホンザリガニの料理を献立に加えた。

 堀さんは13年前、京都に運ぶ前に日光に送ったという文献などを参考に、大正天皇ゆかりの日光田母沢御用邸記念公園近くの川で県内に生息していないはずのニホンザリガニを発見した。その経緯もあり、日光の観光施設関係者から今年2月ごろ、「地域の目玉となる観光資源」の相談があった。堀さんが祝宴料理の再現を提案すると、とんとん拍子に企画が進み始めた。

 絶滅の恐れがあるニホンザリガニは食材として使えないため、フランス料理の材料であるエクルビスの代替品を県内で探した結果、茂木町漁協がアメリカザリガニ採集に協力。外来種の有効活用を研究している馬頭高が加工を担当するめどがついた。

 8月下旬には関係者が集まって試食会を開催する。今年即位した天皇陛下の大嘗祭(だいじょうさい)に合わせ、11月には一般にも提供できるように準備を進めていく。堀さんは「メニューを提供して終わりではなく、旧田母沢御用邸など日光の関連施設を巡るツアーにつなげていきたい」と夢を膨らませている。