停電が続く中沢病院で患者の搬送準備をする荻島さん(左)=10日午後、千葉県富里市(菅間記念病院提供)

 那須塩原市大黒町の菅間記念病院の災害派遣医療チーム「AMAT(エーマット)」が10、11の両日、台風15号で停電被害に遭った千葉県内の医療機関で、患者の病院間搬送の支援活動に従事した。東日本大震災の教訓を受け2年前、県内初のAMATを結成して初めての派遣。帰県した同チーム業務調整員で責任者の救急救命士荻島洋一(おぎしまよういち)さん(65)は、13日までの下野新聞社の取材に、停電が続く中での搬送活動などについて語った。

 「暗くてとても暑い。患者さんがいられるような状況ではなかった」

 荻島さんと同病院副院長で医師大浦慎祐(おおうらしんすけ)さん(63)、看護師阿見幸尚(あみゆきなお)さん(25)の3人が千葉県富里市の中沢病院に着いたのは、台風直撃翌日の10日午後6時ごろ。停電が続く中、1階ロビーは病院職員や他県から派遣された医療関係者らでごった返していた。

 AMATは、東日本大震災で被災した民間病院に対する支援が十分でなかったとして、全日本病院協会が発足させた。菅間記念病院も教訓を踏まえ立ち上げた。

 今回、同協会から出動の打診を受けたのは10日午前。急きょチームが編成され、荻島さんらは専用車で現地に向かった。荻島さんによると、台風被害の影響で中沢病院近くの信号は作動しておらず交差点で車同士の事故も起きていた。

 チームは2日間で脳梗塞の後遺症や誤嚥(ごえん)性肺炎がある高齢女性など5人の患者を、同県船橋市内など離れた病院に搬送した。途中、道路に倒木があったり曲がった竹が道を遮ったりしていたが、通行に大きな支障はなかったという。

 「初めての派遣で反省点があった」。片道平均約1時間の搬送を繰り返すなどし、被災地の医療活動に貢献した荻島さんは「次回はより良い活動ができるようにしたい」と力を込めた。

 菅間記念病院は15日以降、第2班のAMATを千葉県内の病院に派遣する予定。