無償配布される久保貞次郎に関する書籍の一部(奥)と、交流館5周年記念の冊子

 【真岡】市ゆかりの美術評論家久保貞次郎(くぼさだじろう)(1909~96年)への理解を市民らに深めてもらおうと、市は10日から、遺族が市に寄贈した久保の蔵書のうち重複する書籍や画集などを一般に無償配布する。荒町の久保邸跡地に整備した久保記念観光文化交流館の開館5周年を記念し、久保の歩みなどを紹介する冊子も製作。併せて配布する。

 久保は、子どもが持つ創造力を伸ばし、自由な発想を尊重する創造美育運動で、戦後の美術教育に大きな影響を与えたことで知られる。生前収集した絵画や版画などの美術品「久保コレクション」のほか、久保の著書や画集など約7千冊が2013年、遺族から市に寄贈された。

 コレクションは主に交流館の資料室で展示していた。しかし書籍などは全てを展示できず保管されていたことから、市は今回、遺族の了解を得て配布することに決めた。

 配布するのは、美術教育や評論に関する書籍など2千冊のほか、生前の久保が支援した画家瑛九(えいきゅう)らの作品をまとめた図録や画集、パンフレットなど計27種の3230点。おおむね1960年~80年代に発行され、絶版になっているものもあるという。

 交流館会館5周年の記念冊子はA5判16ページ。1千部製作。久保の生い立ちや生前親交のあった画家との関わりなどを紹介している。

 書籍などは交流館と田町の市まちかど美術館で本年度中配布する。同じ本は1人3冊まで。冊子は交流館のみで配布する。両館とも毎週火曜休館。開館時間は午前9時~午後6時(美術館は11月~来年2月は午後5時)。(問)市教委文化課0285・83・7731。