たいまつを手に舟で大池を渡る山伏

 【大田原】市内三つの古典芸能の催しを一連のイベントとして展開する「大田原 能と楽の夕映え」がこのほど、県なかがわ水遊園で始まった。大池前の特設会場で、能や和楽器などの伝統芸能を楽しめる「第5回大田原『せせらぎの舞』」(同実行委員会主催)が行われ、県内外から訪れた約200人が楽しんだ。

 講談、尺八と琵琶の演奏の後、日が暮れ始めた頃に火入れ式が行われた。たいまつを手にした山伏が大池を舟で渡り、かがり火に点火。ほら貝の音色が響き、会場は幽玄な雰囲気に包まれた。

 その後、能奉行を務めた津久井富雄(つくいとみお)市長が上演開始を告げた。那須地区にまつわる「殺生石」など3曲の能が披露され、来場者を魅了した。

 「能と楽の夕映え」は、各催しの内容の充実やPR効果の向上を狙い、初めて開催する。今後、12日に雲巌寺、11月10日に那須神社で、能を中心とした催しを行う。来賓として出席した文化庁文化戦略官の根来恭子(ねごろきょうこ)さんは「文化の継承には、やり手だけではなく鑑賞者の存在が不可欠。この地域ならではの演目や楽曲を大切にしてほしい」と期待を寄せた。