性暴力被害者を支援する県の「とちぎ性暴力被害者サポートセンター」(愛称・とちエール)に、2018年7月~19年6月に寄せられた相談件数が、前年同期に比べ3割増の251件となったことが10日までに、県のまとめで分かった。泣き寝入りをせずに性被害を訴える「#MeToo」(「私も」の意)運動の広がりで社会的関心が高まったことなどから、15年7月の同センター開設以来、最多となった。10代の被害は5割を占め、全体の相談のうち4分の1が「家族からの性暴力」だった。

 県くらし安全安心課課によると、開所1年目の相談件数は165件で毎年微増し、2年目166件、3年目187件だった。4年目となり一気に増え、同課の担当者は「周知が進んだことに加え、性暴力が報道で取り上げられる機会が増えたためではないか」とみる。

 今年3月には福岡県や静岡県などの裁判所で性暴力事件の無罪判決が相次いだ。性暴力への抗議と性犯罪の実態に即した刑法改正を求める「フラワーデモ」も全国で広がるなど、関心は高まっている。

 同センターへの相談者のうち、10代の被害が圧倒的に多く、20代を合わせると6割に上る。加害者側も低年齢化している傾向がみられるという。加害者は配偶者を含む家族が26%、友人・知人12%、学校関係9・2%などで、面識のある人からの被害は8割に上った。

 相談内容は、強制性交48%、強制わいせつ20%、性的虐待16%などだった。

 同センターは、済生会宇都宮病院内に設置。看護師とソーシャルワーカーが電話や面接での相談を受け、希望に応じて産婦人科での医療支援や、警察への届け出、弁護士への橋渡しも行っている。

 同課は「被害者、加害者の低年齢化の傾向に合わせ、学校や家庭での性教育の取り組みも必要。被害者が一人で苦しまないよう、センターの周知に力を入れたい」としている。