秋山川の堤防決壊の影響で、流され積み重なった車=13日午後2時5分、佐野市赤坂町

増水し決壊した秋山川=13日午前11時、佐野市赤坂町

決壊した秋山川の復旧作業=13日午後2時15分、佐野市田島町東

秋山川の堤防決壊の影響で、流され積み重なった車=13日午後2時5分、佐野市赤坂町 増水し決壊した秋山川=13日午前11時、佐野市赤坂町 決壊した秋山川の復旧作業=13日午後2時15分、佐野市田島町東

 台風19号の影響で12日夜に一部の堤防が決壊した佐野市の秋山川近くでは、大量の水が住宅街を襲った。「死ぬところだった」「あっという間に胸まで漬かった」-。川沿いに住む住民らは13日、口々に恐怖を語った。同市の岡部正英(おかべまさひで)市長は緊急記者会見を開き「秋山川の氾濫は私の知る限り初めて。国などの支援を得ながら改修を進め、市民が安心できる形を取っていきたい」と述べた。

 秋山川の近くに住む同市大橋町、石川一男(いしかわかずお)さん(73)と妻洋子(ようこ)さん(69)の自宅周辺では12日夜、水位が一気に胸の高さを超えた。水をかき分けるようにして無我夢中で避難したという一男さんは「あのまま家で寝ていたら死ぬところだった。人生最大の恐怖だった」と表情をこわばらせた。

 同所、解体業男性(59)は同日夜、外に避難しようとすると、水圧で玄関ドアが開かないことに気付いたという。「まずい。閉じ込められた」。パニックになりつつも、必死でドアをこじ開けると、30分前までは足首程度だった水位が急激に上がり、近所の車なども水没していたという。

 同市船津川町、無職関根孝喜(せきねこうき)さん(55)は「朝4時に目を覚ますと、周りが海のようだった」と振り返る。救助活動を行う自衛隊に向かって2階から必死でタオルを振り、ボートで救助された。避難所に移動した関根さんは「ここまでの被害になるとは…」と信じられない様子で話した。 

 市の今後の対応について松本仁(まつもとひとし)行政経営部長は「がれきの受け入れをどう進めるのか、早急に検討したい。消毒液の配布や避難者への十分なフォローもしていきたい」と語った。また市社会福祉協議会は近く、ボランティアセンターを立ち上げ、ボランティアの受け入れを始めるという。