別の場所から木道(右)が流されてきた、湯川沿いの自然研究路(日光湯元ビジターセンター提供)

 台風19号は観光地にも爪痕を残した。大雨の影響で、栃木県日光市の戦場ケ原を流れる湯川沿いの自然研究路の木道が流されたほか、東武日光線は15日も一部区間で運転見合わせが続き、東武日光駅を乗降する観光客の姿が減っている。これから本格的な紅葉シーズンを迎える中、関係者は復旧作業を急いでいる。

 環境省日光湯元ビジターセンターや県日光自然博物館によると、台風が直撃した13日から、赤沼~湯滝・小田代原分岐点間の約5キロ、小田代橋~小滝間の約1キロなどで立ち入り禁止が続く。センターの担当者は「50カ所以上で木道が浮き上がったり、流されたりした。復旧には相当な時間が必要」と苦渋の表情で語る。

 一方で、湯ノ湖周遊ルート、小田代原周辺は歩ける状況という。閉鎖されていた戦場ケ原入り口の赤沼自然情報センター前駐車場も、流れ込んだ土砂の撤去作業が急ピッチで進められている。同駐車場から千手ケ浜間を走る県の低公害バスは、発着場所を変えて14日に運行を再開した。

 東武鉄道は栗橋-栃木間と新鹿沼-下今市間で運転見合わせが続く。地元タクシー会社では、東武日光駅からタクシー観光をする予約客のキャンセルが相次いでいるという。同駅前の和菓子製造販売の「さかえや」女将、山本千代子(やまもとちよこ)さん(75)は「お客さんは通常の10分の1にも満たないが、被災者のことを考えれば嘆くなんて申し訳ない」と話す。

 鬼怒川ライン下りでも12日から運休が続く。同社の担当者は「川の様子を見つつ、乗客の安全を第一に考えて運行を再開したい」と話している。

 一方、日光東照宮では台風の影響を受けた参道もすでに復旧作業を終えた。16日の「流鏑馬(やぶさめ)神事」、17日の「百物揃(ひゃくものぞろい)千人武者行列」も予定通り行われる。