秋山川の決壊した堤防近くに設けられた災害ごみの仮置き場。赤坂町内会が独自に設置した=15日午後0時20分、佐野市赤坂町

 秋山川の堤防の一部が決壊した佐野市内。沿岸の住宅街では15日も、住民らが土砂や災害ごみの片付けに追われた。市は市内2カ所に災害ごみの仮置き場を設けているが、決壊地点からの距離は最短でも約6キロ。「車も水没しているのに、どうやって運ぶのか」。住民からは不満も噴出し、独自の仮置き場を設ける動きもあった。

 市によると、市内は13日午前10時半の時点で床上浸水672棟、床下浸水539棟の被害が確認された。調査ができていない地域があり、被害は拡大するとみられるという。

 決壊した堤防から程近い同市赤坂町、会社員吉沢強志(よしざわつよし)さん(44)の自宅前には15日午前も、大量の泥が残ったまま。水は引いたものの、1階が水に漬かったため、冷蔵庫や洗濯機など多くが災害ごみとなった。「車に積めるごみは限界がある。市が戸別で集めてくれれば助かるのに」と肩を落とす。

 市は市内の計2カ所に災害ごみの仮置き場を設けた。しかし決壊地点からは近い所でも約6キロの距離。運搬できない災害ごみは庭先や路上に置かれたままで「復旧作業を進める上で邪魔になっている」との声も上がった。

 地元の声を受け、赤坂町内会の斎藤武男(さいとうたけお)会長(76)は独自の判断で14日午後から、町内の公園を災害ごみの仮置き場とした。斎藤会長は「私の感覚では町内500世帯以上が被害を受け、車も水没した。市の新たな対応を待ちきれなかった」と話した。

 同市赤坂町、無職青山清次郎(あおやませいじろう)さん(76)は「泥でトラックも横滑りしていて危険」とし、泥の早急な撤去を求める。庭にも泥が残り「シャベルで泥を端に寄せているが、思うように進まない」と疲労の色を浮かべた。