手前の道路が流され、工場の周りが河原になった横尾製作所=16日午前、鹿沼市

工作機械の間に泥が流れ込み手つかずの横尾製作所内部=16日午前、鹿沼市

手前の道路が流され、工場の周りが河原になった横尾製作所=16日午前、鹿沼市 工作機械の間に泥が流れ込み手つかずの横尾製作所内部=16日午前、鹿沼市

 台風19号の影響で、鹿沼市粟野地区は思川の決壊や氾濫により地区中心部が浸水被害に遭った。住宅や店舗のほか、壊滅的な被害を受けた企業もあり、「今後の見通しができない」と復旧を目指しながらも、困惑している。

 思川沿いにある精密部品加工の横尾製作所(口粟野)は会社の上流と下流2カ所が決壊し、周囲が全て“河原”と化した。敷地内に入れたのは水が引いた15日。本社工場は高さ60センチほど浸水し、マシニングセンター11台を含む工作機械計85台、測定器4台などが泥水に浸った。

 同社は従業員48人。光学機器、計測機器メーカーと取引する「地元産業のリーダー的な製造業」(粟野商工会)。横尾英明(よこおひであき)専務は「道路もなくなり、電気もない。工作機械を持ち出すにも運び出せず、今後の見通しは今は立てられないが、取引先には迷惑を掛けられないので、全力で取り組む」と力を振り絞る。

 同じ精密部品加工のヨコオテック(口粟野)も工場が浸水した。横尾正幸(よこおまさゆき)常務は「約70台ある工作機械のうち20%は修理しないとだめかもしれない。元の状態に戻るには約2週間かかりそうだ」とみている。

 林業関連が地場産業の粟野地区。栃毛木材工業(下永野)のプレカット工場(下粕尾)は泥水に漬かり、「機械のモーターなどを点検して試運転しないと操業再開時期は分からない」(関口啓(せきぐちはじめ)専務)という。

 木造住宅施工販売の臼井住建(久野)は思川の決壊で製材工場が浸水し、直径30センチ~1メートルの丸太約300本が流出した。臼井登雄(うすいたかお)社長は「社員30人で回収できた丸太は、半分くらい」と予想外の事態に頭を悩ませている。