床上浸水した横山郷土館内の汚れを掃除する管理者ら

 【栃木】台風19号による浸水などの影響で35件の市施設が復旧作業に追われ、一時閉鎖や縮小を余儀なくされている。入舟町の横山郷土館は付近の巴波(うずま)川の氾濫による床上浸水で復旧まで3カ月程度かかる見込み。校庭に堆積した大量の泥などにより休校や使用に支障が出ている小学校もあり、市民への影響が各地で相次いでいる。

 国登録有形文化財の同館では17日、管理者らが懸命にモップを使い建物の汚れを落としていた。1メートルほどの高さにくっきりと水の跡が残る壁には汚れた畳や床板が立て掛けられていた。展示物は台風最接近前日の11日に高所へ移動したためかろうじて無事だったが、美しい景観が人気の中庭は植物が泥水をかぶるなどの被害を受けた。

 管理者の片山幹枝(かたやまみきえ)さん(60)は「展示物まで被害を受けたことを考えると恐ろしい。古い木造建築のため、木の隙間に入り込んだ泥が次々出てきて掃除をしても終わりが見えない」と肩を落とした。

 台風被害は小学校にも及ぶ。大平西小は浸水で電話回線が故障し児童の安否確認が取れないため、15日から休校状態が続く。16日に全校児童387人の安否確認が取れたが、26人は親戚の家などに避難し自宅に帰宅できていないという。村井一郎(むらいいちろう)校長は「何とか子どもたちが早く学校に来られるようにしたい」と、いち早い復旧に思いを込めた。

 栃木第五小は16日から午前のみの授業で学校を再開。しかし給食室が浸水し、パンと飲み物とゼリーの簡易的な給食で昼を過ごす。校庭には大量の泥が堆積し児童たちが遊べないなど制限のかかった学校生活を強いられている。同校の陸上部は18日に大会を控えているが、満足に練習ができていないという。陸上部に所属する6年吉田千桜(よしだちお)さん(12)は「早く校庭でみんなと遊んだり練習したりしたい」と話す。

 両校はいずれも21日から通常授業で学校を再開する予定だ。