閑散とする鬼怒川温泉駅前広場=18日午後、日光市鬼怒川温泉大原

 台風19号の本県直撃から、19日で1週間。県内観光地にも影響が広がっている。日光市の鬼怒川・川治温泉では、台風上陸前後の5日間で、主な宿泊施設の予約のほぼ半数がキャンセルされた。東武日光線の一部不通が響いたとみられ、紅葉本番を目前に控えて、地元観光関係者は早期復旧と客足の回復を祈る。宇都宮市の大谷地区、足利市の人気観光施設でも懸命の復旧作業が続く。

 鬼怒川・川治温泉旅館協同組合によると、同組合の問い合わせに18日夕までに回答した23の旅館・ホテルのキャンセル率は、10~14日の平均で47%。最も集中した12日は73%に達した。 一部で地下室浸水などがあったが、営業に支障は出ていない。関係者は、宿泊客のうち2割以上が使用するといわれる鉄道の不通が打撃になったとみる。首都圏直通の特急電車の運行は止まったまま。普段の週末は観光客でにぎわう温泉街の玄関口、東武鬼怒川温泉駅前の広場も、18日は閑散としていた。

 鬼怒川プラザホテルの庄田哲康(しょうだてつやす)社長(49)は「鉄道利用のお客さまからの問い合わせやキャンセルが多い。復旧予定の25日までは様子をみるしかない」と思いを巡らせる。二社一寺エリアでも、11日から13日にかけ、予約客の7割がキャンセルしたホテルがあった。

 今年は紅葉の時季が例年より1、2週間遅れており、現在は、奥鬼怒温泉郷や湯ノ湖周辺が見頃。宿泊施設の経営者らは「これから予約が増えてくれればいい」と望みをつなぐ。

 宇都宮市を代表する観光地・大谷地区は河川の水があふれ、道路が損傷。観光の中心施設の一つ「大谷資料館」は13日から18日まで臨時休業した。道路の復旧に伴い、19日からは営業を再開する。鈴木洋夫(すずきひろお)館長(66)は「休館中も問い合わせが多かった。(営業再開が)地域を励ますきっかけになれば」と話した。

 ただ、復旧作業は続き、災害ごみの片付けも終わっていない。このため、26日に予定していたイベントは中止に。例年は約2万人が来場するが、夕刻以降の開催でもあり「来場者の安全確保の観点から中止を決めた」(主催者)という。

 足利市迫間(はさま)町のあしかがフラワーパークは園内全域が冠水。見頃を迎えた秋咲きの花などが水没した。20日の営業再開を目指し、復旧作業を進めている。