栃木市内に開設されている避難所=18日夕、同市薗部町2丁目

 各地に深刻な被害を及ぼした台風19号の影響で、県内では今も多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされている。「落ち着いて寝られない」「疲労困憊(こんぱい)」。長引く避難生活に、被災者の表情には疲れがにじむ。台風が本県を直撃してから19日で1週間。18日夜から19日朝にかけて強い雨が降るとの予報に、被災者はさらなる心配を募らせた。

 「テレビ、電話、トイレットペーパー」。避難所となっている栃木市薗部町2丁目のとちぎ西部生きがいセンターの室内に置かれたホワイトボードには、避難者が必要としている物が書かれている。

 18日午後4時現在、同センターには約50人が避難する。この日の夕方には小雨の降る中、荷物を抱えて避難してきた人の姿もあった。朝晩の冷え込みが厳しくなってくるこの時季。市職員は毛布を多めに用意し、希望者に手渡した。

 台風が本県に接近した12日午後から避難所生活が続く同市平井町、福富多美子(ふくとみたみこ)さん(85)は「最初は避難所に1泊か2泊くらいと思ったのに」と声を落とす。2階建ての自宅に長男夫婦、孫と暮らしていたが、福富さんが生活していた1階部分が床上浸水した。日中は家へ戻って長男らと片付け作業を進め、夜に避難所へ戻る生活を繰り返す。「ここには、いられるだけいることになると思う」と漏らした。

 「何もやることがない」。同市沼和田町、無職尾牧(おまき)まり子(こ)さん(57)は18日、父守保(もりやす)さん(86)と和室の畳の上で1日を過ごした。平屋の自宅は浸水被害を受け「古い家なので、また住めるようになるのかめどが立たない」と表情を曇らせる。週末の雨の予報に「天気はどうしようもないが、雨はもうあまり降らないでほしい」と願った。

 同市柳橋町、無職関口利夫(せきぐちとしお)さん(57)は、会議室の床の上に毛布を重ねて寝床を作る。「周りが気になって落ち着いては寝られないし、疲れは取れない」と打ち明けた。

 県によると、18日午後2時現在、栃木、佐野、小山市など計7市15カ所の避難所に208人が身を寄せている。