急ピッチで進む荒川の堤防の応急工事=19日午前10時半、那須烏山市藤田

 台風19号の本県直撃から、19日で1週間となった。県と国が管理する県内河川の堤防決壊やその他の氾濫の発生は少なくとも計68カ所に上ったことが、同日までの県と国の調べで分かった。記録的な降水量が広域に及び、河川の公共土木施設の被害規模は2015年9月の関東・東北豪雨を超える見通し。近年の大規模災害を踏まえ、防災・減災対策が進められてきたが、ハード・ソフト両面の対策の重要性が改めて浮き彫りとなった。

 決壊したのは、県が管理する10市町の13河川26カ所。内訳は栃木市の永野川の6カ所が最多で、鹿沼市の思川、矢板市の中川、那須烏山市の荒川が各3カ所などとなっている。

 その他の氾濫は、堤防があるところで氾濫する「越水」、ないところで氾濫する「溢水(いっすい)」、周辺河川の水が逆流して氾濫する「内水」が計10河川42カ所で発生した。国が管理する那珂川でも11カ所で氾濫があった。市町管理河川を含めて被害は調査中で、今後増える可能性がある。

 県管理河川分の計57カ所のうち、38カ所で大型土のうなどを用いた応急対策が必要となった。河川の公共土木施設の被害額は、関東・東北豪雨時の約164億円を上回る見通しという。

 被害規模の背景にあるのは、広範囲での記録的な降水量だ。宇都宮地方気象台によると、12日の日降水量は、13地点で観測史上最大を記録。降り始めからの降水量は、2カ所が決壊した秋山川上流の葛生(佐野市)で416・5ミリだった。国の雨量計では、永野川上流の鹿沼市上永野で500ミリに達していた。

 県は昨年7月の西日本豪雨などを踏まえ、今回被害に遭った河川でも堆積土や樹木の除去などの緊急防災・減災対策や、国の計画に対応した公共事業などを進めてきたという。

 県県土整備部は「今回の規模の雨をハード対策で抑えるのは難しい。ハードだけでは防ぎきれない洪水が発生するものと考え、逃げ遅れゼロを目指すソフト対策も一体となって進めていく」としている。