巴波川の氾濫で押し流され、橋桁に衝突した屋形船(中村さん提供)

壊れた屋形船を前に肩を落とす中村さん=20日午後、栃木市境町

巴波川の氾濫で押し流され、橋桁に衝突した屋形船(中村さん提供) 壊れた屋形船を前に肩を落とす中村さん=20日午後、栃木市境町

 台風19号による栃木市の巴波(うずま)川氾濫で、NPO法人「蔵の街遊覧船」の屋形船が大きく損傷した。船着き場の階段なども損壊し、同法人の船頭たちは連日復旧作業に追われている。船の修復まで手が回らない状況が続き、復旧の見通しは立っていない。

 同法人は11日、台風の最接近に備え、屋形船など和舟全5隻を境町の瀬戸河原公園に引き上げてくいで固定するなど対策を講じた。船頭マネージャーの中村明雄(なかむらあきお)さん(61)が13日朝、様子を見に来ると屋形船が1隻100メートル先の中州まで押し流されていた。

 屋形船は橋桁に衝突し、屋根がはがれたり障子が全て破れたりするなど大きなダメージを負った。船底に穴が開いている可能性もあり、修復にはかなりの費用と時間を要する見込み。中村さんは「気持ちの整理がつかない」と肩を落とす。

 そのほか、水位をコントロールする堰(せき)の動力室も浸水によって故障し、巴波川の中州には土砂がたまって航行を遮っている。年間約4万人を楽しませる遊覧船が再開するまでには、大きな壁が幾つも立ちはだかる。

 10~11月は巴波川沿いのイベントが多く書き入れ時だが、「予約キャンセルの対応に追われている」と中村さん。一方で復旧を待ち望む声も多く「早く再開してみんなに勇気を与えたい」と前を向いた。