内木さん(左)の友人でもあるスケートボード仲間が、復旧作業に訪れた

 台風19号の直撃で栃木県栃木市室町の銭湯「玉川の湯」は大きな被害を受け、営業再開の見通しが立っていない。そんな厳しい状況を聞きつけ、なじみの客が片付け作業に汗を流した。老舗「名湯」の復活を望む問い合わせも多く、連日復旧作業が続いている。

 1889年から続く同店は12日夜、巴波(うずま)川の氾濫で大浴場や湯を沸かすための釜などが浸水。シャンプーや貸しタオルなども汚水や泥をかぶり、全て廃棄せざるを得なくなった。

 同店はスケートボードが楽しめる施設「金魚湯ランプ」を併設。そのつながりで、先週は厳しい状況を聞いたなじみのスケートボード仲間約30人が片付け作業に駆け付けた。店主の内木晴樹(ないきはるき)さん(41)は「自分で手いっぱいだけど、みんなが手伝ってくれるとありがたいね」と感謝した。

 22日はあいにくの雨。外作業ができないため、内木さんは黙々と大浴場の掃除に取り掛かっていた。下水管に流れ込んだわらが詰まり、逆流を引き起こすため掃除をしてもすぐに汚れが浮き出てくるという。

 内木さんは「再開に向けて動きだすと次々に新たな問題が出てくる。今日は洗濯機が壊れているのが分かった」と頭を悩ませる。

 しかし「いつから始まりますか」「大丈夫ですか」など店舗の心配や営業を待ち望む電話もあるという。現在は大浴場内の消毒に取り掛かっており、再開に向け着実に歩み始めている。