台風19号の被災地支援を目的に返礼品なしで募集しているふるさと納税の寄付が7日時点で県内の自治体に計3380件、約6870万円寄せられたことが12日までに、下野新聞社のまとめで分かった。受け付けている県と15市町の全てに寄付があった一方で、件数と金額のいずれも全体のおよそ半分を佐野市が占めた。地域によって差も見られるのが実情で「報道などが少なく、被害が広く知られていない部分もあるためではないか」と漏らす自治体担当者もいる。

 ふるさと納税の仲介サイト「ふるさとチョイス」や「さとふる」などが災害支援として募っている。返礼品がある一般的なふるさと納税と異なり、仲介手数料を取らず全額が自治体へ送られる。

 7日時点で、県内の自治体で最も多い3694万9674円の寄付があった佐野市は、台風が本県を直撃した翌日の10月13日から1カ月弱で、2018年度1年間の一般的なふるさと納税の寄付金(約2400万円)を上回る額が寄せられた。

 同市の担当者は「予想を超える額を頂いた」と感謝する。日頃から行っている同市のPR活動の成果や、ふるさと納税の手続きを他の自治体に肩代わりしてもらう「代理納付」の活用を、寄付が多く集まる理由に挙げた。

 足利市は、姉妹都市の神奈川県鎌倉市の申し出を受け「代理納付」を活用する。同18日から受け付けを始め、寄付金は佐野市に次ぐ684万5195円に上った。同市の担当者は「初動が良かったのだと思う。大変ありがたい」と話す。

 県内で最も多い約7600棟の住家が浸水被害に遭った栃木市には608万5701円が寄せられた。同市の担当者も「ふるさと納税だけでなく、義援金も多く集まっている。ありがたい」と話した。

 犠牲者が出た鹿沼市は168万2千円。市の担当者は「金額の大小にかかわらず、市を思っていただける気持ちに感謝したい」とした上で「(金額には)災害報道の量も影響していると感じる。鹿沼では2人が亡くなるなどしたが、被害があまり知られていない」と漏らした。