安全な海外旅行のために県国際交流協会が開いたセミナー

 クリスマスや年末年始の計画を立て始める時期。海外で過ごそうと考えている人もいるだろう。できればトラブルなく、楽しい時間を送りたいもの。県国際交流協会が開いた海外邦人安全対策セミナーで講師を務めた同協会参与の石塚勇人(いしづかはやと)さん(高根沢町出身)に安全対策の3原則などを教えてもらった。

 石塚さんは元外務省職員。在ニューヨーク総領事館領事部長を務めるなど、約30年にわたって在外公館で勤務した海外のエキスパートだ。

 石塚さんによると、海外での邦人援護の件数は年々増加。事件事故絡みが多く、2017年は約1万9千件もあった。報告されない被害も多数あるとみられる。国別ではタイ、フィリピン、アメリカ、中国などでの報告が多い。

 海外での安全対策の心構えの基本は、自分と家族の安全は自分たちで守ることだ。深夜や早朝の一人歩きやジョギング、公共交通機関の乗車を避けたり、多額の現金を持ち歩かずに現金やカードを分散所持したり、警察を装って近づく人物にIDの提示を求めたりすることを心掛けたい。

 さらに大切なのが、3原則の厳守。3原則とは、(1)目立たない。奇抜な服装や目立つ行動は論外(2)行動を予知されない。現地で知り合った人に個人情報や行動について話さない(3)用心を怠らない。ホテルでも施錠する-だ。

 「海外では日本人の存在が既に目立っている。日本と同じ意識でいると、犯罪に遭いやすい。犯罪や誘拐、テロの標的になり得るという認識を持って行動を」と呼び掛ける。

 パスポートの紛失も、よくあるトラブルの一つ。紛失や盗難に遭ったら、まず現地の警察で被害届の受理書(ポリスレポート)を受け取る。それから最寄りの大使館・総領事館で、帰国のための渡航書を申請するか、パスポートの再発行を申請する。

 申請には写真2枚が必要で、再発行の場合と渡航書申請で日本国籍を確認できる書類を持っていない場合は、発行から6カ月以内の戸籍謄本または戸籍抄本も必要。万が一に備えて渡航時には携行したい。再発行などでかかる手数料は現金払いなので、ある程度の現金は持ち合わせよう。

 「紛失したら、日程通り旅行を続けるのはほぼ無理。パスポートのコピーでは再発行してもらえないので注意を」と石塚さん。

 子連れ旅行で気を付けたいのが、子どもの叱り方。子どもへの体罰に対する社会の目が厳しい国もあり、虐待と疑われ、警察に通報されて拘束された事案もある。同じく夫婦げんかもDVと見なされる場合もあるので注意したい。

 石塚さんは、旅行前に外務省の海外安全情報配信サービス「たびレジ」への登録を勧める。「旅先の安全情報や滞在時も最新の情報が送られてくる」という。