教員の働き方改革を進める栃木県教委が勤務時間を把握するため、栃木県立学校に導入した勤務管理表が時間外勤務時間の一部を集計しない仕組みとなっていたことが4日、県教委への取材で分かった。教員がパソコン上で管理表に時間外の時間を入力しても、分の単位は切り捨てられる状態になっていた。県教委は11月、時間外勤務の実態調査結果を公表し「時間が減少している」などとしていたが、調査結果は実態を反映していないとみられる。教員の長時間労働の解消を目指す県教委だが、実態把握の在り方が問われそうだ。

 全国で教員の長時間労働が問題となる中、県教委は1月に「学校における働き方改革推進プラン」を策定し、対策を進めている。勤務管理表は表計算ソフト「エクセル」で作られており、4月から県立学校に導入したという。

 勤務管理表は、各教員が各日の出勤時刻と退勤時刻を入力すると、時間外勤務の時間が計算されるもの。しかし時間外勤務時間は「時」単位で計算され「分」の単位は切り捨てられていた。勤務開始時間前と勤務終了時間後の時間外がそれぞれ計算されるため、1日で最大59分ずつ計1時間58分が切り捨てられる仕組みだった。1時間未満の時間外は「0」とされていた。

 県教委は下野新聞社の取材に対し「時間単位で把握したいので、分を切り捨てるシステムにしていた」と説明。「(勤務管理表は)これまで勤務時間をあまり意識していなかった教員にまずは意識してもらう目的だった」と弁明した。

 県教委が11月に公表した県立学校などの時間外勤務の実態調査は、教員の自己申告を基にまとめたという。県教委は、県立学校の教員らは勤務管理表を使って時間外勤務を報告しているとみており「切り捨てにより、調査結果の正確性に影響がないとはいえない」と認めた。

 県教委は調査結果で、県内公立学校の教諭のうち「過労死ライン」とされる時間外勤務が月80時間を超えた人の割合は4~7月、いずれの月も10%台だったなどとしていた。推進プランでは2021年度までに、過労死ラインの教員をゼロとする目標を掲げている。