池田さんのリトグラフ「女だけの時間」(左)などが展示されている会場

 【真岡】開館5周年を迎えた荒町の久保記念観光文化交流館美術品展示館で、写真と版画の技術の発展という視点から作家の創作活動を捉え直す初の企画展が開かれている。市ゆかりの美術評論家久保貞次郎(くぼさだじろう)さん(1909~96年)と親交のあった前衛的な美術家瑛九(えいきゅう)(本名杉田秀夫(すぎたひでお)、1911~60年)や版画家池田満寿夫(いけだますお)さん(1934~97年)ら9人の計26点を展示し、新たな表現の可能性を見いだした作家たちの作品に親しんでもらう。来年1月20日まで。

 企画展のタイトルは「写真×版画-融合する2つの表現-」。20世紀以降の複製技術の発達と普及は芸術分野でも新たな表現を次々と生み出した。美術品の大コレクターであり新進気鋭の版画家のプロデューサーでもあった久保さんの周辺には、技術の発展に柔軟に向き合う瑛九や池田さんら有能な作家がいたことなどから市教委が立案し主催した。

 展示館で紹介されているのは、印画紙に光を当てさまざまな白黒の色調を作りだす瑛九のフォトデッサン「消えた電車」など3点やデッサン用の型紙、セロハンといった貴重な資料のほか、池田さんのリトグラフ「遙(はる)かなる通り」や「女だけの時間」(いずれも版画集『ロケーション&シーン』より)など。

 このほか世界的に著名な美術家靉嘔(あいおう)さんのシルクスクリーンや版画家吉原英雄(よしはらひでお)さんのリトグラフなども展示されている。

 会場では「エッチング」(銅版画)など版画の技法を解説したパネルも掲示され、技術を学ぶ場にもなっている。今月8日には交流館で小学生以上対象の関連ワークショップ「フォトデッサンをつくろう」も開かれる。

 企画展は午前9時~午後6時で観覧無料。毎週火曜と年末年始は休館。(問)交流館0285・82・2012。