避難所で引っ越し準備を進める堀江宥治さん(右)と妻ミサさん=11日午後、栃木市薗部町2丁目

 台風19号が本県を直撃してから、12日で2カ月となる。ピーク時に県内25市町の約2万3千人が身を寄せた避難所(384カ所)は11日現在、栃木市の2カ所となり、計40人が生活を送る。避難者は22日を目標に退所準備を進めており、中には応急仮設住宅などへの入居が決まった人もいる。「うまくやっていけるだろうか」。慣れない環境での暮らしが続くことに、不安を覚える避難者は少なくない。

 「ただいま」「おかえり」。同市薗部町2丁目の「とちぎ西部生きがいセンター」で11日午後、2カ月近く一緒に生活してきた避難者同士が声を掛け合う。共同スペースには自然と人が集まり、テレビを見たり雑談したりしていた。

 同市薗部町3丁目、堀江宥治(ほりえゆうじ)さん(80)と妻ミサさん(80)は、県が民間の賃貸住宅を借り上げ提供する「応急仮設住宅」への引っ越し準備を進める。「浸水した自宅から持ってこられた物はほとんどない。家電も何もかも、そろえないといけない」と宥治さん。ミサさんは今の寝床の段ボールベッドに目をやり「新しい所では、よく眠れるようになるかな」とつぶやいた。新しく購入した冷蔵庫が届いたら、避難所を出る予定という。

 「ここで知り合いになれた人もいた。新しい場所でうまくやれるか不安」。同市柳橋町、無職関口利夫(せきぐちとしお)さん(58)は、近く市営住宅へ移る。1人暮らしだったアパート1階の自宅は台風で浸水した。

 避難所での他人との生活に疲れがたまる一方、避難者同士で気軽に他愛のない話ができることを、ありがたく感じていたという。「いつかは、ここを出て行かないといけない。新しい所で、どうにかやっていくしかない」と話した。

 同市入舟町の栃木中央小に身を寄せる同市湊町、酒井勇次(さかいゆうじ)さん(70)は「住む所も決まって前進しているんだけど、むなしさもある」と明かす。近く応急仮設住宅のアパートで生活を始める予定だが、「借家生活なんてしたことない。家財道具を買いそろえたら、出費がどのくらいになるのか」と不安は尽きない。