県は11日、台風19号の被災地の高齢者宅にケアマネジャーを派遣し、健康状態を調べる事業を始めた。対象は主に介護サービスを受けていない高齢者世帯で、足利市を皮切りに栃木、佐野、小山の各市で順次実施する。孤立しがちな高齢者の心身の変化を、専門知識を持つケアマネジャーがいち早く把握して専門機関につなげ、重症化を防ぐ。

 事業は国の台風19号災害の対策パッケージに盛り込まれており、国が全額補助する。本県での実施は初めてで希望した4市が対象。とちぎケアマネジャー協会が実施主体となり、支援が必要と判断した場合は関係機関に引き継ぐ。

 同市ではすでに11月、地域包括支援センターと社会福祉士会が被災地域の高齢者世帯を訪問した。今回は13日までに、当時不在や要経過観察だった約70世帯を訪れる予定だ。

 初日はケアマネジャー8人が2人1組で足利市内を巡回。特に被害が大きかった毛野、富田地区の計36世帯を回った。

 床上浸水の被害に遭い、今は家の復旧作業に追われている同市大久保町、荒居金作(あらいきんさく)さん(79)方には、同市のケアマネジャー中井誠(なかいまこと)さん(45)らが訪れ、健康状態や悩みを聞き取った。

 荒居さんは被災当時、2階に避難して台風をしのいだという。今も眠れないことがあるが「困っていることを聞いてくれて、いくらか気持ちも落ち着いた」と安心した様子だった。

 同協会の柳義則(やなぎよしのり)理事(43)は「今は被災者が普通の生活に戻る段階。行政などと連携して支援したい」と話していた。