年末年始特別警戒の一環として、県警は13日夜から14日未明にかけ「県下一斉警戒」を行い、携帯電話使用や運転免許証不携帯などで計15件を摘発した。県内全19署の警察官計353人が幹線道路など19カ所で検問を実施。巡視した県警の大貫良之(おおぬきよしゆき)地域部長と添田敦男(そえたあつお)少年課長に本紙記者2人が同行取材した。
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午後7時半、小山市乙女3丁目の国道4号に設けられた検問所では、約30人の小山署員が車両を待ち構えた。
一人一人のドライバーに声を掛け、シートベルトの着用状況などを確かめる署員。「ご家族皆さん、事故に遭わないよう、お帰りください」。見送る際は、柔和な表情を浮かべた。
「管内は交通事故が多い。一件でも減らしたい」。蓼沼浩(たてぬまひろし)署長は、厳しいまなざしで検問を見守った。
「頑張っているね」と、笑顔で署員を激励した大貫部長。事件事故の抑止に懸ける思いを語り、表情を引き締めた。「県民に嫌な思いで、年末年始を過ごしてほしくない」
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農地に囲まれた検問所に、雲間から月明かりがのぞく。午後6時45分、添田課長が訪れた市貝町市塙の県道では、茂木署員約10人が検問を進めていた。
停止した車に署員が駆け寄り、免許証を確認。免許証の表記は改元前に更新されたため「平成34年まで有効」。署員は「有効期限を間違えないで」と声を掛け、ドライバーを見送った。添田課長は署員らの動きに目を配りながら「寒い中お疲れさま」とねぎらった。
同署管内では今年、2件の死亡事故が発生。「令和の『令』のように、事件事故『0』を目指し予防と摘発に努める」。同署の山口誠一(やまぐちせいいち)署長は強調した。