開帳された地獄変相図

 【足利】月谷町の中河原薬師堂で16日、地獄を描いた掛け軸「地獄変相図」が開帳され、訪れた人たちは彩色で描かれた地獄の裁きの様子などに見入っていた。

 変相図はえんま様など地獄の裁判官を描いた「十王像」10幅とえんま様の化身ともいわれ罪人を救うとされる「地蔵菩薩(ぼさつ)像」1幅。十王像は江戸中期、菩薩像は同末期の制作という。開帳は地元住民が交代で当番を務め正月、盆のやぶ入りの年2回、第2次世界大戦中も途絶えさせず続けられてきた。

 変相図には「修羅場」「火の車」「餓鬼」などの表現の由来となった地獄の場面が細やかに描かれている。訪れた人に解説した地元の郷土史家中島太郎(なかじまたろう)さん(56)は「昔の人は極楽、地獄の様子を心の中に思い描きながら暮らしていたのだろう」と話した。