新施設を整備する方針のとちぎフットボールセンターの未利用地

 【矢板】市は17日の市議会全員協議会で、昨年10月の台風19号による浸水被害で使用できなくなっている市文化会館について、復旧を断念する考えを明らかにした。工事に約2年かかる上に築約40年と老朽化が著しく、今後の災害でもまた浸水する可能性があるため。新施設として、文化会館だけでなく体育館機能なども持つ建物を末広町のとちぎフットボールセンターの未利用地に整備する方針で、本年度中に費用対効果や施設形態などの検討を始める。

 市によると、市文化会館の概算復旧事業費は約5億2千万円。被災した電源設備や空調設備などは、新たに設計を行って新調するしかなく、工事は2022年3月までかかる見込み。

 復旧費は国庫補助金や災害共済金を財源にできる一方、復旧後も老朽化している天井の耐震改修や音響機器の更新などに約11億円が必要とみられる。

 また、台風19号被害を受けて県が作成する新たな浸水想定区域図で、文化会館の所在地は洪水浸水想定区域に指定される可能性が高い。これらを踏まえて、復旧を諦めたという。

 新施設は同センター西側にある約1万4千平方メートルの未利用地のうち、南側約8800平方メートルに建設する方針。文化会館の大ホールは定員約1100人だったが、平均利用者は約200人にとどまるため、新施設のホールは定員300~500人規模にコンパクト化する。

 斎藤淳一郎(さいとうじゅんいちろう)市長は「民間活力の導入も積極的に検討しながら、市民の健康づくりや生きがいづくりに利用でき、防災拠点にもなる施設を目指したい」と話した。