県は19日までに、奥日光地域を対象に、スマートフォンアプリを使い複数の公共交通や宿泊施設の予約・決済などを行える仕組み「観光型MaaS(マース)」の実施に向けた検討費用などとして、2020年度一般会計当初予算案に約1億円を盛り込む方針を固めた。奥日光の観光振興に加え、公共交通を利用してもらうことで、自家用車での来訪を減らし環境負荷の低減も図りたい考えだ。

 MaaSは「モビリティー・アズ・ア・サービス」の通称で、鉄道やバス、タクシーなどの交通手段を組み合わせ、ワンストップで検索から予約、決済できる仕組み。前橋市や静岡県伊豆エリアなど全国各地でモデル事業が行われている。本県では次世代型路面電車(LRT)の整備を見据え、宇都宮市でMaaS導入に向けた検討が進められている。

 観光型MaaSは交通機関とともに、観光・宿泊施設の予約や決済などを一括して行うことで、さらなる利便性の向上が期待される。

 県は20年度、MaaSにおけるデマンド交通の有用性などを調査・検討する。MaaS先進地のフィンランドではスマホアプリを活用した仕組みとなっており、奥日光でもアプリの活用を視野に入れている。導入時期は未定だが、関係市町や交通機関、観光業者、旅行業者などとともに導入の可能性を探っていく。

 18年度の県観光動態調査によると、本県を訪れた観光客の8割以上が自家用車を利用している。効率的に2次交通を利用してもらうことで、二酸化炭素の削減や交通渋滞の緩和などが期待される。

 予算案にはこのほか、戦場ケ原で運行する県有バスを電気自動車(EV)に更新する費用、県営駐車場にEV充電設備を新設する費用も盛り込むなど環境負荷低減を意識した。