昨年10月の台風19号を受け、県内11市町が洪水浸水想定区域の見直しの必要性を感じていることが20日までに、下野新聞社が県内全25市町に行ったアンケートで分かった。見直しが必要と感じる対象河川として計19河川が回答に挙がった。台風19号の記録的豪雨で、浸水想定区域図のない中小河川で氾濫が相次いだことなどが背景にある。県は一部の中小河川について簡易的な浸水想定区域図を2020年度に作成する方針で、対象河川の選定を進めている。

 県内は台風19号で県管理の13河川27カ所で堤防が決壊。32河川40カ所で堤防から川の水があふれる越水か、堤防のない場所であふれるいっ水が起きた。氾濫した河川には、県による浸水想定区域図が未作成の河川が少なくない。

 アンケートで、浸水想定区域の見直しの必要性を感じた河川が「ある」と答えたのは宇都宮、佐野、鹿沼など11市町。対象の河川には計19河川が挙がり、大半は浸水想定区域図がないか一部区間しかない中で今回、水があふれた河川だった。益子町は大羽川を、芳賀町は野元川を「今回あふれる寸前だった」などと対象として示した。

 宇都宮市は姿川を挙げ「大谷地区で甚大な浸水被害があった」と理由を説明した。同市によると、現在河川改修中の姿川は、改修後を念頭に浸水想定区域図が作成済みだが、大谷地区は浸水区域が発生しないと想定されており、担当者は「実態と齟齬(そご)がある」とした。

 佐野市は秋山川、旗川など4河川を回答に明記。このうち浸水想定区域図が作成済みの秋山川に関して、担当者は「台風19号の実際の浸水範囲を示すなど、洪水ハザードマップに改良の余地がある」と指摘した。洪水ハザードマップは、県が作成した浸水想定区域図を基に市町が作成し、公表される。

 県によると、浸水想定区域図を作成済みの県管理河川は16河川。19年度は新たに旗川、内川、五行川上流で作成している。県は、20年度に作成予定の中小河川の簡易的な浸水想定区域図について「(20年の)3月中にも対象河川を公表できれば」としている。