環境省の中央環境審議会が瀬戸内海の水を適度に“汚く”する方法を議論している。兵庫県は既に条例を改正し、窒素、りんの海中濃度に下限値を設定した▼下水処理場の排水の基準を緩くするなどして、海に栄養を与えることにしている。河川の水に含まれる窒素などの栄養塩類の量が少な過ぎると、植物プランクトンがあまり育たない。このため魚の餌が減って、イカナゴの漁獲量が減少するという問題が起きている▼養殖しているノリの色づきが悪くなることもあるという。これまで赤潮の防止や水質の改善のため、海に流れ込む窒素などの量を減らしてきた。これが「水清ければ魚すまず」の状況を招いている。自然への対応は難しい。少しぐらいの濁りは必要ということだろう▼では政治の世界はどうか。税金で毎年開いている「桜を見る会」に安倍晋三首相が、自身の後援会関係者を大勢呼んでいたことが分かってきた。中国企業のカジノ事業参入に絡んで、担当副大臣を務めた衆院議員が収賄容疑で逮捕された▼首相の行動は支援者だけを優遇する公私混同であり、カジノの問題も真相究明が不可欠だ。少しぐらいはと目をつぶるわけにはいかない▼人の活動と関連する環境も、政権も、長い間放置していると予想外の事態に陥ってしまう。十分に監視しなければならない。