外出制限が始まり、人けがなくなったフラン・ブルジョワ通り=17日午後、パリ市内(クレール・エデーさん提供)

五月女幸雄さん

外出制限が始まり、人けがなくなったフラン・ブルジョワ通り=17日午後、パリ市内(クレール・エデーさん提供) 五月女幸雄さん

 新型コロナウイルスの感染が欧州や米国など世界各地に拡大する中、海外の本県関係者も混乱を強いられている。フランスに30年以上住む洋画家五月女(さおとめ)幸雄(ゆきお)さん(83)=宇都宮市出身=と、長女でピアニストの慧(けい)さんは同国で始まった外出制限に直面する。一方、米国・インディアナ州立インディアナ大に留学中の白鴎大生2人は、学生生活で大きな変化を余儀なくされている。

■「非現実的な光景」 厳しい外出制限、罰金も 仏在住親子

 「パリの文化を象徴するカフェも全て閉まり、普段人であふれかえる観光地もがらがら。非現実的な光景、空間が広がっている」

 慧さんは、長年住むパリの激変ぶりをこう説明する。18日現在、感染者9100人以上、死者240人以上に上るフランスでは17日正午から外出が厳しく制限され、生活必需品の購入や医療上の理由など例外的な場合でも書類が必要となる。

 「スーパーでも顧客同士1メートルの間隔をあける。街中で警察官が監視し、違反には罰金もあるのでまずはみんな(外出制限を)守っている」。慧さんも演奏活動ができなくなり、指導するベルサイユ地方音楽院も休みになるなど影響は大きい。

 政府は今回の措置の前にも外出を控えるよう呼び掛けたが、市民に響かなかったという。近年テロや政府への抗議活動、暴動が相次ぐなど「政府への支持の低さもあって、コロナ対策が徹底されてこなかった面もある」とみる。

 現在パリの東約120キロのエペルネに住む幸雄さんは「パニックはないが、経験したことのない非常事態」とし、「権利意識の強い国民性もあり、経済的な補償など今後弊害や矛盾が出てくるのでは」と懸念する。

■春休み延長、日用品不足 米国留学白鴎大生

 白鴎大教育学部2年の堀越彩花(ほりこしあやか)さん(20)=足利市出身=と斉藤優奈(さいとうゆうな)さん(20)=宇都宮市出身=は、昨年8月~ことし5月の予定でインディアナ大に留学している。

 インディアナ州では17日現在、感染者39人、2人が死亡した。留学先の同大では春休みが延長され、休み明けからは授業がオンラインに切り替えられる。2人は一時、寮を退出するよう求められるなど混乱を強いられた。

 堀越さんは「当初は米国より日本の方が大変だと考え深刻に受け止めていなかったが、今は(生活の)状況の変化についていくのに必死」と訴える。スーパーではトイレットペーパーなどの日用品が売り切れる現象も出ているという。

 斉藤さんは「友人とショッピングモールに行ったら、いきなり見知らぬ人に『あなたたち中国人は来るな』と言われた」と明かす。「友人との大学生活が途絶えてしまうことが信じられないが、前向きな気持ちで残りの留学生活を過ごしたい」と話している。