JRバス関東の佐野新都市バスターミナル

 栃木県佐野市は移住・定住策の一環として、JRバスで都内に通勤、通学する人に一律月5千円の奨励金を支給する支援事業を10月に始める。首都圏に比較的近い県南地域では、すでに小山、栃木両市が新幹線の定期券や東武線特急券の購入費補助事業を実施。交通の利便性を生かし、若年層の流出を防いでいこうという取り組みが広がっている。

 バスによる都内への通勤、通学を支援するのは県内では初めてという。市内にはJRと東武の二つの鉄道が走るが、都内に行くためには一部を除いて乗り換えが必要となることから、市と都内を直通で結ぶJRバスに着目した。

 市によると、佐野プレミアム・アウトレットの西側にあるJRバス関東の佐野新都市バスターミナル(越名町)から王子駅(東京都北区)まで約1時間、東京駅までは約1時間半で結ぶ。

 1カ月の定期代はいずれも4万800円。市はこのうち5千円を、通勤手当の有無にかかわらず一律で支給する。市は初年度の利用者を18人程度と見込んでおり、新年度予算には「東京圏通学・通勤者支援事業」の半年分の経費として50万円を盛り込んだ。

 人口流出を防ぐため、地方都市は企業誘致をはじめとした雇用の創出を進めているが、その一方で「住居と仕事場を一つのまちで完結する形には限界がある」との指摘もある。

 このため、職住分離を前提にした移住・定住策も注目され、県内では新幹線駅のある那須塩原、小山両市が定期代から通勤手当などを除いた分を補助する事業を実施。東武線が都内への通勤、通学の足となっている栃木市では、特急券の購入費を補助して若者の地元定住促進を図っている。

 佐野市の担当者は「バスならば乗り換えがなくゆったりと通勤、通学ができる。広くPRし、市への移住・定住につなげていきたい」としている。(問)市総合戦略推進室0283・20・3012。