次亜塩素酸水を霧状に噴出する装置を備える「除菌バス」=30日午前、栃木市野中町

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、観光バスの利用者が減少する中、除菌効果があるという「次亜塩素酸水」の噴霧装置を備えた「除菌バス」を導入している富士観光バス(栃木市野中町)に、同業者や利用者からの問い合わせが相次いでいる。同社は「社会がウイルスに敏感になっている今、少しでも安心感を持ってもらいたい」と呼び掛けている。

 除菌バスは、小型の加湿器のような装置を車内に設置。インフルエンザウイルスやノロウイルス対策などに用いられる次亜塩素酸水を霧状に噴出し、約20畳の空間の除菌に効果が期待できるという。

 同社はインフルエンザ対策などのため、4年ほど前に導入した。観光用バス30台のうち5台に搭載しており、設置費は1台につき数万円。新型コロナウイルスの感染拡大以降、利用客から「少しは安心できる」という声が日々寄せられており、残り25台にも追加で設置することを決めた。

 同業他社からも関心を集め、3月末までに県外を含む10社以上から「どのように設置するのか」などの問い合わせが相次いでいる。

 一方、同社の3月の観光バス利用は昨年比で9割減。4月以降は全ての予約がキャンセルとなり、新規の旅行プランも入らないなど厳しい状況が続く。神山一也(かみやまかずや)社長(55)は「今できることをやるしかない」と肩を落とす。

 今後、旅行会社と協力してツアー名に「除菌バスで行く」といった文言を盛り込んでPRしていく方針だ。「正直、今は厳しい状況。除菌バスは安心という認識が広がり、業界全体が立ち直るきっかけになれば」と、神山社長は話している。