壁の一部を取り除いた田原西小の教室。換気しやすく、机同士の間隔を広く保てるという=3日午後、宇都宮市立伏町

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて臨時休校していた栃木県内の多くの公立小中学校が、4月8日から再開される。教員らは「校舎にやっと元気な声が響く」と新学期の準備に奔走する一方、感染拡大は収まる気配が見えず、不安は尽きない。授業は、給食は、部活は…。各校はマスクの着用や換気、消毒の徹底、机の間隔を離すなどの対策を講じる方針だが、「感染リスクを完全に排除することは難しい」と困惑も広がる。

 新学期から児童204人が通う宇都宮市田原西小。「あらゆる場面の感染リスクを想定して児童の安心安全を確保する」。3日午後、教室で机と机の間隔を広げながら、金子渉(かねこわたる)校長(54)は表情を引き締めた。

 政府が3月24日に公表した学校再開の指針。教室や体育館で密閉、密集、密接を徹底的に作らないよう求め、給食の項目には「机を向かい合わせにしない、会話を控えるなどの対応が考えられる」とある。

 だが金子校長は「給食には配膳や食器の回収など付随する行為がいくつもある。その対応は教員が考えなければならない」と指摘。同校では、配膳の当番はビニール手袋を着用し、トング類の使い回しを防ぐためにおかわりは教員が配る、などの対応を決めた。

 同校は、可動式となっている教室の壁の一部を移動させ、隣のオープンスペースと一体的に使うことで、机の間隔を広げた。金子校長は「教員が過敏に対応し過ぎて児童に不安を与えることは、避けなければならない」と不安も口にした。

 日光小は3日、学校側の感染対策の対応などについて保護者にメールなどで周知した。マスク着用や毎朝の検温への協力を求め、校内の消毒の徹底などについて改めて伝えた。また来週からは、児童がマスクを入手できない場合に備えて教員らが手作りするという。

 黒沢守(くろさわまもる)校長(56)は「感染者への偏見や差別の問題も気掛かり」といい、「発達段階に応じた指導をしていかなければならない」と対応を検討している。

 栃木市東陽中は1学年6クラスずつで全校生徒約580人。森加奈夫(もりかなお)校長(57)は「机同士は可能な限り離すが、クラスを2つに分けるとしてもオープンスペースもないし…」と対応に苦慮している。教室では換気を徹底し、授業中や給食時、グループになることは避けるという。「状況は日々変化しており、明日にも対応が変わる可能性もある」と警戒を強めている。