県南の医療機関に通院していた30~60代の男性4人の新型コロナウイルス感染が相次いで判明した問題で、県は4日、医療従事者や他の患者に感染が確認されなかったことなどから、院内感染については現時点で認められないとする調査結果を公表した。一方、発端となった東京都内在住の60代男性を除く3人は、感染経路が判明しない県内初のケースとなった。

 3月29日に感染が判明した60代男性は同23、25日に医療機関を受診。後に感染が判明した3人も同じ日に受診していた。ただ、来院時間は60代男性と1~2時間ずれており、治療を受けている間に患者同士が2メートル以内で対面する状況もなかったことから、飛沫(ひまつ)感染の環境はなかったと判断した。

 県はこの4人と接触のあった医療従事者のほか、接触の可能性のある患者ら約100人のPCR検査を実施したが、全員が陰性だった。医師免許を持つ海老名英治(えびなえいじ)保健福祉部長は4日の記者会見で「院内感染を積極的に肯定する材料は得られなかった」と述べた。

 感染原因は特定できないが、4人が同じ日に医療機関を受診していることから、感染者がウイルスの付着した手で机やいすに触れるなどして接触感染した可能性も考えられるとし「証明は難しいが、可能性は否定できない」とした。

 60代男性は3月19日に県外で接待を伴う飲食店に滞在し、同23日に発症。同22、23日には愛媛県内の葬儀に参列し、4日までに参列者8人の感染が判明した。他の3人には発症前に渡航歴などがなかった。県内で確認された計17人の感染者の中では初めて「疫学的なリンクが追えない事例が発生した」と判断された。

 ただ、3人の感染時期とみられる3月21~23日に、県内ではクラスター(感染者集団)なども確認されておらず、都市部のような急速な感染拡大の状況にはないとの見方を示した。