新型コロナウイルスの感染が都市部を中心に急速に広まる中、本県でも3月下旬から感染者が増えつつある。5日現在で関東では最も少ないものの、計17人の感染を確認。感染経路が不明となる事例も出てきた。県は「急速な感染拡大を回避するため、極めて重要な時期」として、手洗いやうがいなど基本的な感染予防、東京都などへの外出自粛を呼び掛けている。

 県によると、1月下旬~4月2日に計657人を検査した。感染が確認された17人のうち、4日時点で5人が退院。入院している12人中、2人が重症という。本県は「感染確認地域」に当たる。

 感染が初めて確認された2月22日以降、陽性判明は3月中旬まで3人だった。しかし同24日に2人、同25日に4人と下旬になって1日当たりでも複数の感染が確認されるようになった。同29日~4月1日には、県南の同一の医療機関に通院する患者4人の感染が立て続けに判明した。

 感染経路も当初はクルーズ船の下船者や、集団感染が確認された大阪のライブハウス滞在者、海外渡航者など判定できたが、特定が難しいケースも出てきた。

 県南の医療機関の場合、県は「疫学的リンクが追えない」として院内感染と断定しなかったため、4人のうち3人の感染経路は不明のままだ。6例目の男性は、発熱した県外の親族と接触があったが、この親族は検査を受ける必要はなかった。12、15例目の男性2人は都内の接待を伴う飲食店を利用していたが、都内で感染との推定にとどまる。

 感染判明までに医療機関が別の診断をしたケースも。県は「呼吸器症状だけではないため、診断が難しかったのでは」と推測。陰性から陽性に転じたケースもあり、県は「検体の取り方によって必ずしも陽性と出ないこともある」と、検査の限界を指摘した。

 急速な感染拡大防止に向け本県も正念場を迎えているが、2日以降、感染は確認されていない。4日の記者会見で海老名英治(えびなえいじ)県保健福祉部長は「県内のどこかに出掛けて感染するような状況ではない」と強調。特に基礎疾患を持つ人に対し「体調管理をしっかりしてもらい、人混みに出掛けないこと、三つの『密』を避けることを徹底してほしい」と呼び掛けている。