間隔を空けるよう誘導するカピバラの足跡をかたどった目印=16日午後、大田原市佐良土(超広角レンズ使用)

 県内は16日、国が本県などへの緊急事態宣言を解除してから初の週末を迎えた。営業を再開した観光施設では、久々に県民の笑顔が見られた一方、客足は鈍く、施設関係者の胸には再開の安心感と感染への警戒心、厳しい運営見通しへの覚悟が混じる。施設によっては宣言が続いている県外ナンバーの車両も散見され、「緩み」も表れている。

 大田原市佐良土の県なかがわ水遊園は16日、4月8日から休館が続いていたメイン施設「おもしろ魚館」を再開した。早速、地元の親子連れらが足を運んだが、1日の人出は例年の3、4割にとどまった。

 開館直後に訪れた那珂川町小川小3年、藤沢(ふじさわ)まゆさん(8)と1年のみうさん(6)姉妹は「久しぶりに来られて、朝から『やったー』という気持ち。(企画展の)危険な生物を見るのが楽しみ」と笑顔で館内に入っていった。

 屋内施設だけに施設側の警戒は強い。マスク着用の呼び掛けや換気、消毒、人気のトンネル型大水槽では来館者の間隔を目印で誘導した。スタッフの渡辺裕介(わたなべゆうすけ)さん(50)は「うれしさの半面、不安もある。今できる防止策を徹底しながら最大限楽しんでもらえる工夫をしたい」と知恵を絞る。

 大谷石採石場の地下空間を楽しめる大谷資料館(宇都宮市大谷町)も16日、1カ月以上の休館から開けたが、客足はぽつりぽつり。 宇都宮市下小倉町、会社員木村泰典(きむらやすのり)さん(43)は「県外に行けないので、地元に目を向けて初めて来た。満足できたが、やはり人が少ないかな」。通常8割以上が県外からの観光客だけに、鈴木洋夫(すずきひろお)館長(67)も当面の厳しさは覚悟の上。「(かき入れ時の)お盆までには活気が戻ってほしい」と長い目で待つ。

 11日から再開した千本松牧場(那須塩原市千本松)では16日、スタッフの江連美香(えづれみか)さん(39)が「交通誘導員がいらないほど」と表情を曇らせた。宇都宮市、30代男性は「久々の遠出。感染したら職場に迷惑が掛かるので県外には出ない」とデートを楽しんでいた。

 一方、観光地の駐車場には、国の緊急事態宣言が継続されている都県を含め県外ナンバーの車両が、一部で見られた。

 埼玉県東松山市からカップルで那須町の観光施設を訪れた無職男性(28)は「基本的にずっと家にいるが、ストレスがたまってきてしまった」。日光市内の施設に訪れた東京都港区、30代会社員男性は「ずっと家の中で仕事をしていた。分かってはいるが、大型連休中外出できなかった分、楽しんでいる」と話した。