田中代表(右)ら「ピースうつのみや」メンバーと黄ぶな灯籠=20日午前、宇都宮市雀宮5丁目

 夏恒例となっていた宇都宮空襲犠牲者を追悼する宇都宮市中心部の田川の灯籠流しが2年連続で、中止される見込みとなった。主催する「ピースうつのみや」(田中一紀(たなかかずのり)代表)のメンバーの高齢化で年々開催が難しくなる中、河川改修と新型コロナウイルスの影響と悪条件が重なった。しかし、灯籠流しで使用し疫病治癒の伝説がある「黄ぶな」の灯籠を修理、平和と新型コロナ収束を願い、病院などに寄贈する。

 灯籠流しは宇都宮空襲のあった7月12日に、犠牲になった620人を追悼するために毎年実施。約100個の灯籠が水面に浮かぶ。

 同団体は、戦争の悲惨さを後世に伝えようと集まった有志約100人の組織だが、最近は高齢化し、78歳の田中代表でさえも“若い世代”になる。現場では灯籠の組み立てや河川敷に下ろす作業などが長時間続き、若い力が必要だという。

 さらに昨年10月の台風19号の田川の氾濫に伴う河川改修で水位が下がり、河川敷から直接灯籠を流せない状況になった。そのため同団体は、台風で中止になった昨年に続き、今年も灯籠流しの開催は困難とみる。

 代わりに灯籠にも使われている黄ぶなに注目。黄ぶなを食べて疫病が治ったという伝説から、コロナ禍で不安を抱える人の癒やしと共に、平和の思いを伝えようと寄贈を企画した。

 灯籠は、体長約1メートルの大きいものから中50センチ、小20センチまで15体。伝説の由来と宇都宮空襲追悼の思いを込めた解説を付けて寄贈する。医療機関や福祉施設などに置いてもらおうと、施設や団体などを募っている。

 灯籠を製作、修理した同団体の運営委員鎌田泰二(かまたたいじ)さん(73)は「ボロボロになった黄ぶなを破棄しようと思ったがかわいそうで修理した。もう一度役立ってほしい」と話した。

 (問)鎌田さん028・653・0045。