廃業した富士交通=3日午前、小山市大行寺(写真は一部加工しています)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出自粛や観光地での需要激減で県内のタクシー業界が窮地に立たされている。県タクシー協会によると3日までに、小山、栃木両市内の3社が廃業を決め、協会加盟社は93社となった。また下野、日光両市内の2社が休業している。協会の鉢村敏雄(はちむらとしお)専務は「各社とも資金繰りに窮しており、廃業がさらに出かねない」と窮状を訴えている。

 11台を保有する富士交通(小山市大行寺)は4月11日に営業を停止し、27日に関東運輸局栃木運輸支局へ廃業届を提出した。昨年の台風19号では車両浸水を想定して避難させたが、交換タイヤ約70本が流された。同9月には落雷により無線システムが故障した。

 菊池実(きくちみのる)社長は「被害の復旧がままならない中、消費税増税で運賃が引き上げられたが、売り上げが伸びなかった」。そこに新型コロナの需要減が襲いかかり、「3月からは10台動かしても売り上げが1日2万円の日もあった。想定を上回る落ち込みだった」と話した。

 富士タクシー(栃木市大宮町)は5月8日に廃業を届け出た。東武宇都宮線野州平川駅前で11台を稼働させていたが、需要減に歯止めがかからなかった。親会社の矢野自動車(宇都宮市西川田町)の山田耕一(やまだこういち)常務は「元々業績が悪かったが、コロナ禍で先行きが見通せなくなった」という。

 栃木市街地にある栃木交通(栃木市泉町、車両数11台)も、今月20日の営業を持って廃業する。

 また、5月10日に休業に当たる事業停止届を出した下野市と日光市の2社は、当初今月30日までとしていた停止期間を9月30日までに延長した。